我々の研究室では、未来社会を支える次世代サイバーインフラの創成の研究を行っています。次世代サイバーインフラの創成には、コンピュータネットワーク、オペレーティングシステム、有線・無線統合技術・ネットワークセキュリティ、アプリケーション・サービスの構築など様々な構成要素技術が必要です。近年は、以下の研究領域に注力をしています。

Beyond5G へのサイバーインフラの進化

今後2030年頃の実現をめざすBeyond5Gの情報基盤技術や応用技術(VR/AR/MR、遠隔監視制御・自律協調制御など)の研究開発を行う。第5世代モバイル通信(5G)の特徴である大容量・低遅延・多数接続などの通信品質のさらなる向上だけではなく、情報通信の低消費電力化や安全性・信頼性の飛躍的向上、機械学習・AIにより障害を予測・自動修復をする自律性や、宇宙・海洋など未開拓領域への拡張性を高度化する研究開発を行う。また、ローカル5Gなどに代表される、一般事業者が電波利用免許を取得し最先端の情報通信を自ら提供する「情報通信の民主化」を駆使して、社会課題解決のための情報通信のカスタム化、「現場発(ボトムアップ)の仕様」から駆動する次世代サイバーインフラの研究開発を行う。

ソフトウェア化による柔軟なサイバーインフラの構築

情報科学と通信工学を融合し、様々な通信機能を多数独立に共存させる「ネットワーク仮想化技術」、ソフトウェアによる集中制御を 実現するSDNや、機能を仮想化マシン上に構築するNFVなどのソフトウェアにてネットワーク機器を構成する「ネットワークソフトウェア化」、通信基盤を構成する帯域・計算・記憶資源など、プログラム可能な資源を、仮想化技術を用いて独立の集合”スライス”に分割し、実装された機能を互いに非干渉に実行可能とする「ネットワークスライシング技術」の研究を行う。 また応用として、人間の知性や経験を超越して、ゼロタッチで自律的に連携したり、有線・無線を超えた最適なネットワークの構築をしたり、障害を自動検知・予測したりする自律創発性を有する「超知性ネットワーク」の研究を行う。

次世代サイバーインフラを利活用する地域創生

大容量・低遅延・多数接続の特徴を持つ5G・ローカル5Gや、IoT/AI・機械学習を駆使し、膨大なリアルタイムデータを収集し解析することにより、地域における課題解決や産業振興など地域創生の推進の研究を行う。地域との社会連携協定を締結し、情報学と情報と通信技術に係る技術交流及び学術交流や、地域を情報通信技術の実証実験のフィールドとし、産業振興や地域課題の解決に資する研究を加速する。例えば、遠隔監視・遠隔制御リモートセンシング、5G/IoTを用いた環境センシング、一次産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)等、最新の情報通信応用や機械学習を駆使するデータ利活用等を推進し、地域課題解決・産業振興・新たな価値創造による経済発展を推進する。 教員からのメッセージ 人間の基本的な社会活動は相互のコミュニケーションに支えられている。 コロナ禍で社会活動の継続において情報通信の果たす役割の重要性は疑う余地がなくなっている。 サイバー空間を現実世界(フィジカル空間)と一体化させ、知識集約型社会の中核的な役割を担う次世代サイバーインフラの構築や応用に興味があり、革新的な技術を創成し、社会に貢献する意欲のある学生と共に研究を進めたい。「絵に描いた餅」と言われることを恐れず、「誰も見たことがない餅を描ける創造力」を発揮して欲しい。

教員からのメッセージ
人間の基本的な社会活動は相互のコミュニケーションに支えられている。 コロナ禍で社会活動の継続において情報通信の果たす役割の重要性は疑う余地がなくなっている。 サイバー空間を現実世界(フィジカル空間)と一体化させ、知識集約型社会の中核的な役割を担う次世代サイバーインフラの構築や応用に興味があり、革新的な技術を創成し、社会に貢献する意欲のある学生と共に研究を進めたい。「絵に描いた餅」と言われることを恐れず、「誰も見たことがない餅を描ける創造力」を発揮して欲しい。