Abstract

近年,IoTシステムは様々な産業分野で利活用されるようになり,あらゆるモノがセンサーや通信機能を用いてインターネットに接続され,収集される情報が新しい価値を生み出すことが,期待されている.特に,長期間に渡り広範囲な環境データを継続的に収集するIoTシステムにおいては,より低消費電力で,より広範囲な電波伝搬を実現する技術が重要となる.低消費電力・広域の無線通信方式としてLPWA(Low Power Wide Area),特に, LoRaが注目されているが,都市部での建物・障害物の影響分析や,基地局(BS)の配置手法に研究が十分に行われていないという課題がある.本文では,課題解決に向けたLoRa基地局の最適配置手法の確立を目的とし,東京大学・本郷キャンパスにおける電波伝搬シミュレーション,目標カバー率を最小BS数で求めるヒューリスティックアリゴリズムの提案・評価,に関して報告する.

趙子健, ハミド ファルディ, 中尾彰宏. “LoRa電波伝搬評価と基地局配置の最適化手法の研究”. 信学技報, vol. 118, no. 39, ICM2018-3, pp. 33-38, 2018年5月. copyright©2018 IEICE